【ビデオエディター】手軽な編集ができるWindows標準動画編集ソフト
この記事では、Windows11に標準でインストールされている動画編集ソフト「ビデオエディター」の使い方について書きます。気軽な動画編集がしたい初心者さん向けのソフトです。
※2022年夏~秋頃から「Clipchamp」が標準搭載されて、「ビデオエディター」はなくなりました。
Windows11で初期インストールされている動画編集ソフトです。動画の結合、分割、モーション、字幕テキスト、フィルター、再生速度の変更、タイトルカードの追加、回転、BGMの追加などができます。
印象としては、パソコン初心者~中級者向けの基本的な動画編集ができるソフトといった感じです。動画の不要な部分を切り取り(トリミング)して、他の動画と結合するといった初歩的な編集ができます。
Windows11標準のソフトなので、デザインが馴染んでいる点もいいかなと思います。動画をドラッグ&ドロップで追加、プレビューを確認しながら編集できる点など、直感的に操作できます。
動画編集の上級者さんになると物足りなくなるのでしょうが、初心者~中級者さんにはいいかなと思います。初期インストールされているので、ダウンロードやインストール作業も不要です。
正確には、フォトアプリの中に内蔵されている機能の1つです。
一昔前はムービーメーカーが主流でしたが、2021年12月現在、日本語版ムービーメーカーはサポートを終了しています。裏技で導入する方法はあるらしいですが、何があるか分からないので、新しいビデオエディターに乗り換えることをおすすめします。
実際に、動画の追加してテキストを挿入してみた動画を貼っておきます。
リリース元:Microsoft
【追記】「ビデオエディター」は標準搭載されなくなった
2022年夏~秋頃から、Windows11には、「Clipchamp-動画エディター」という動画編集ソフトが標準搭載されて、「ビデオエディター」はなくなりました。ムービーメーカー→ビデオエディター→「Clipchamp」という流れです。
今後は、「Clipchamp」のほうがサポートされると思います。機能もビデオエディターより豊富なため、こだわりがない場合は、移行する方がいいかなと思います。
何かしらのこだわりがある場合は、旧フォトアプリ(フォトレガシ)をインストールすることで、引き続き、ビデオエディターを利用できます。詳しくは、下記記事を参考にしてみてください。
起動方法
Windows11に初期インストールされているので、特別何かダウンロードする必要はありません。スタートメニューの「は行」にある「ビデオエディター」アプリをクリックします。
人によっては、スタートメニューに、「ビデオエディター」項目がない場合があるようです。
その場合は、代わりにフォトアプリを起動します。スタートメニューの「は行」にあります。起動したら、上部の「ビデオエディター」タブをクリックするか、右上のアイコン→「新しいビデオプロジェクト」をクリックします。
ビデオエディターが起動します。
動画を追加する方法
ビデオプロジェクトの作成方法
「ビデオプロジェクト」と呼ばれる、動画を編集する場所を作成します。「新しいビデオプロジェクト」をクリックします。
プロジェクトの名前を決めます。動画が増えていくと、どれがどれだか分からなくなるので、管理しやすい名前にするといいかなと思います。
プロジェクトは、1度作成するとビデオエディター内に残って、元動画を削除しない限りは、いつでも編集を再開できます。ゲームでいうセーブ機能をイメージするといいかもしれません。
プロジェクトが不要になった場合は、いつでも削除できます。
「プロジェクトライブラリ」に動画を取り込む方法
プロジェクトが作成できたら、動画を取り込んでいきます。「プロジェクトライブラリが空です」の部分に、編集したい動画をドラッグ&ドロップします。
途中で新しく動画を追加したい場合は、「追加」をクリックして選択するか、動画をドラッグ&ドロップして追加できます。
「ストーリーボード」に動画を追加する方法
ビデオエディターには、「プロジェクトライブラリ」と「ストーリーボード」と呼ばれる項目があります。まず「プロジェクトライブラリ」に動画を取り込んで、その後、「ストーリーボード」で編集していく形になります。
他の動画編集ソフトだと、「プロジェクトライブラリ」を「メディアプール(ライブラリ)」、「ストーリーボード」を「タイムライン」と呼ぶ場合があります。
画面下部の「ストーリーボード」と呼ばれるところに、編集したい動画を、マウスでドラッグ&ドロップします。
ストーリーボード(タイムライン)上に、動画が追加されます。
ストーリーボードに追加した動画が、実際に出力する際の動画になります。ライブラリに追加しただけだと、保存しても出力されません。
とりあえず、使えそうな動画素材を「ビデオエディター」上の「プロジェクトライブラリ」に登録して、そこから本当に必要な動画を、ストーリーボードに追加して、編集作業をする…という流れです。
動画の並び替え
ストーリーボードは、左から右に動画が進みます。最初に表示したい動画を左に配置していきます。ストーリーボード上の動画サムネイルをドラッグ&ドロップすることで、並び替えられます。
各種編集機能
編集は、大きく8つのことができます。
編集項目 | 説明 |
---|---|
タイトルカードの追加 | 動画の間に文字を挿入(例:「2021.10.26 運動会 」みたいな感じでタイトルを挿入できる) |
トリミング | 動画の切り取り。不要な部分の削除 |
分割 | 動画の分割(例:10秒の動画を4秒と6秒に分ける) |
テキスト | 字幕の挿入 |
3D効果 | 特殊効果(3D)の挿入 |
フィルター | 動画全体にフィルターを適用(例:モノクロやセピアなど) |
速度 | 再生速度を変更(最低で0.02倍速、最高で64倍速) |
回転 | 動画の回転(例:スマホで撮影した縦動画を横動画にする) |
「これだけ覚えておけば、多分OK!」ってのは、分割、テキスト、速度の3つかなと思います。3D効果やフィルターは、うまく活用すると動画の印象をガラッと変えれますが、慣れるまでは難しいと思います。
タイトルカードの追加
冒頭にタイトルをつけることができ、何の動画か、一目でわかるようになります。子供の運動会なら「2020年 小学6年生 運動会
」みたいな感じで、テキストを挿入できます。
追加方法
ストーリーボード上の「タイトルカードの追加」ボタンをクリックすると、冒頭に追加されます。
テキストの編集
テキストの中身を編集したい場合、追加したタイトルカードを選択して、「テキスト」をクリックします。あるいは、タイトルカードを右クリック→編集→「テキスト」をクリックします。
専用の画面に切り替わります。右上にテキストボックスがあるので、好きな文字を入力します。試しに「ナポリタン寿司」と入力したところ、中央のプレビューに、そのまま表示されます。
アニメーションの選択
「アニメーション化されるテキストスタイル」の部分で、装飾ができます。好きなスタイルを選択します。
プレビュー上で再生することで、どのようなアニメーションが付与されたか確認できます。「YouTube」などと同じ、再生ボタン、進行状況バーがあるので、操作はしやすいと思います。
レイアウトの選択
テキスト編集画面の「レイアウト」項目で、上下左右のどこに配置するか選択できます。
「アニメーション化されるテキストスタイル」と組み合わせることで、個性的な装飾ができます。「太字」や「ジョイ」でも、レイアウトの配置場所によって、雰囲気が変わります。
背景色の変更
テキスト編集画面の上部にある「背景」タブをクリックします。
右側サイドバーがテキストの装飾ではなく、背景色の選択画面に切り替わります。好きな色のタイルをクリックします。設定できたら、「完了」ボタンをクリックします。
余談ですが、用意されている色で好みがなかったら、下部にある「ユーザー設定の色」部分で、新しく好きな色を作成できます。「+」ボタンをクリックすると、カラーパレットが表示されます。好みの色を設定して、「OK」を押します。
テキストの長さを調整
テキストの表示時間を調整したい場合は、挿入したタイトルカードを右クリック→「期間」をクリックします。
「これが表示される時間を変更してください」ダイアログが表示されます。好きな秒数を指定します。
分割
一つの動画を複数に分割できます。
分割単体だと使い物になりませんが、分割することで、編集の自由度が増します。例えば、いらない部分を分割して削除したり、ある地点からある地点までの速度を変更したい時などに活躍します。削除はこちら、再生速度の変更はこちらで解説しています。
動画を選択して、「分割」ボタンをクリックします。
動画の編集画面が表示されるので、プレビューで確認しながら、分割したい箇所を選択します。選択できたら、「完了」をクリックします。
動画が分割されます。片方を削除しても、もう片方は消えません。
動画の削除
削除したいボードを右クリック→「このビデオクリップを削除」をクリックします。あるいは、選択→Deleteキーを押したり、ゴミ箱アイコンをクリックすることでも削除できます。
再生速度の変更
動画を選択して、「速度」ボタンをクリックします。あるいは右クリック→編集→「速度」をクリックします。最低で0.02倍速、最高で64倍速に変更できます。
バーで速さを調整できます。
モーション
動画に動きをつけられます。
分割機能とセットに使うことで、このシーンからこのシーンにかけて、ズームするといった使い方ができます。動画全体にモーションをかけるのは珍しいと思うので、「分割」機能で、動画を区切ってから使うといいかなと思います。
フィルター
「フィルター」と呼ばれる効果を適用できます。フィルターをかけることで、雰囲気をぐっと変えることができます。
思い出用の動画は、むやみに加工するとイメージが崩れるかもしれません。映画風や、PV風な動画を作成する時に役立つかもしれません。
動画の回転
回転したい動画カードを選択して、回転ボタンをクリックします。右クリック→「回転」からでもアクセスできます。
動画が90度回転します。もう一度押すと、さらに追加で90度回転します。
動画の保存
「エクスポート」と呼ばれる動画の出力作業をすることで、動画をPC上に保存できます。右上の「ビデオの完了」をクリックします。
画質選択画面が表示されます。よっぽどのことがない限りは、デフォルトで設定されている「高(1080p)」がおすすめです。1080pは、用意されている画質の中で、一番高画質です。
「その他のオプション」をクリックすると、「ハードウェアアクセラレータによるエンコードを使用」オプションが展開されます。特に変更する必要はないかなと思います。もし、完成したビデオに、ノイズなどが走るといった場合は、チェックを外すことで改善されるかもしれません。
準備ができたら、「エクスポート」ボタンをクリックします。「名前を付けて保存」ダイアログが表示されるので、好きな場所、名前を決めて、「エクスポート」ボタンをクリックします。
エクスポート(動画の保存)が開始されます。終わるまで待ちます。
終わったら、指定した場所に動画が保存されます。
おすすめショートカットキー
ショートカットキーを利用することで、より効率的に動画編集できます。いくつか紹介しておきます。
項目 | ショートカットキー |
---|---|
再生・停止 | space |
コピー | Ctrl+C |
切り取り | Ctrl+X |
貼り付け | Ctrl+V |
削除 | Delete |
全選択 | Ctrl+A |
複数動画選択 | Ctrl+マウス選択 |
特にCtrlを使ったキーが便利だと思います。まずは、コピー(Ctrl+C)と貼り付け(Ctrl+V)あたりから、覚えるといいかもしれません。
感想
以上、Windows11に標準でインストールされている初心者さん向けの動画編集ソフト「ビデオエディター」についてでした。
今までは、「ビデオエディター」の前に、Windowsに標準搭載されていた「ムービーメーカー」アプリを利用していました。慣れすぎていて、「ビデオエディター?そんなもん知らない!」状態でしたが、いざ使ってみると、思った以上に便利でした。
初心者でも分かりやすい直感的な操作で、簡単に動画編集ができると思います。「ムービーメーカー」の機能を、ほとんど使えるのに、デザインは進化している点がいいなと思いました。
あくまで初心者用なので、本格的な動画編集をしたい方や、パソコン中級者以上の方には向かないと思います。僕は、外部のソフト「DaVinci Resolve」ソフトを利用しています。
多機能すぎて最初は何がなんだか分からない点、高機能すぎてそこそこのPCスペックがないと重たい点など、初心者さんにはハードルが高いと思いますが、ある程度、動画編集したい方にはおすすめです。